Milestone をクロックアップして高速化してみた
Milestone を root 化したので、CPU クロックアップアプリ (Milestone Overclock) を入れてベンチマーク (Benchmark) を取ってみました。
以下、結果です。
CPUクロック/項目 | Graphic | CPU | Memory | Filesystem |
---|---|---|---|---|
550MHz | 17.00 | 407.45 | 302.25 | 33.30 |
800MHz | 24.30 | 595.18 | 293.00 | 41.90 |
1.2GHz | 35.85 | 918.41 | 310.00 | 79.72 |
一目瞭然ですが、Memory の項目以外は CPU クロックに連動してリニアに性能が良くなっています!
(800MHz 時のメモリの項目だけ少し落ちてるのは多分単なる時の運)
以下、個別のテスト項目について詳細を。
Graphic
Graphics は 2D ビットマップのフィルレートを測定しています。
CPUクロック | フィルレート |
---|---|
550MHz | 5.2MPixels/sec |
800MHz | 7.2MPixels/sec |
1.2GHz | 11.0MPixels/sec |
フィルレートはクロックスピードに応じてリニアに性能が上がっている感じです。
550MHz と 1.2GHz では倍以上の差がついていますが、しかし体感上は描画のフレームレートがそこまで上がった感じはしません。ホーム画面の左右へのスワイプやブラウザでのスクロールが iPhone に比べて微妙にガタつく感じは特に変化なしです。
これについてはフィルレートだけの問題でなく、Android の描画APIのつくりの問題なのかなーって思います。
一方、ゲームとかエミュレータとかのような自前2D描画するアプリの場合にはかなり違いが出てきそうですが、試してません!
Filesystem
ファイルシステムについては NAND メモリへの読み書き速度を測定しているみたいです。
CPUクロック | 書き込み速度 | 読み込み速度 |
---|---|---|
550MHz | 0.336M/sec | 66.666M/sec |
800MHz | 0.955M/sec | 83.333M/sec |
1.2GHz | 1.657M/sec | 158.730M/sec |
こちらについてはなんとクロックスピードに応じてリニアにどころか、550MHz と 1.2GHz では書き込みが5倍も速くなってました!!
が、NAND フラッシュへガシガシ書き込みするシチュエーションというのもそんなに多くなさそうなので、恩恵に預かれるのはアプリのインストール時くらいかなあという気もします。
読み込みも倍以上早くなってるので、アプリの起動などは多少早くなるかとは思いますが、今のところ起動に時間がかかるほどファイルサイズが巨大なアプリを使っていないので、良く分かりません!
まとめ
クロックアップするとCPUパワーだけではなくグラフィクス性能やファイルI/Oもかなーり速くなるということが分かりましたが、普通にネット見たりメールしたりという使い方においては、劇的にユーザエクスペリエンスが向上するということはありませんでした。OS 全体のキビキビ感は、そこまで変わらなかった。
多分、トイカメ系とかAR系の画像にエフェクトかけるアプリやゲームアプリなどは、クロックアップの恩恵にある程度あずかれるんじゃないかなー思います。
そういうわけで普段は 550MHz で使っておいて、イザというときだけ 1.2GHz にブーストして使うといいんじゃないかと思った今日この頃でした。おしまい。
追記・3D ベンチマーク
2D 描画が速くなるのはいいとして、3D (OpenGL-ES1.1) の描画はどうなんじゃろ?と思い、Neocore ベンチマークを使って測定してみました。
結果としては、550MHz のときと 1.2GHz ので、全然違わんかった! やはり Milestone Overclock は CPU のみのクロックアップということでした。(GPU には影響なし)
1.2GHz でのときが0.1だけいいけど、これは誤差でしょう。
ちなみに他の端末での結果は、Froyo の Nexus One で 28fps とか、Samsung Galaxy S で 56fps 前後、Desire も 28fps くらいな感じのようです。画面解像度が違えば FPS も変わってくるので直接は比較できませんが、それでも Galaxy S の突出ぷりハンパない。
さすが、現時点で最強の GPU (PowerVR SGX540) 積んでるだけあります…。
Milestone に載っている PowerVR SGX530 と比べると、200MHz 駆動の際で
Model | Triangles | FillRate |
---|---|---|
SGX530 | 13 MPolys/s | 500Mpx/s |
SGX540 | 90 MPolys/s | 1Gpx/s |
となるようなので、倍くらい FPS 違っても何にも不思議じゃないですね。すげえわ。
(参考: http://en.wikipedia.org/wiki/PowerVR)